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国土交通省は、建設資材の不具合を原因として建築物や土木構造物の施工不良が生じた際、建設業許可行政庁が製造業者に改善を勧告できる制度を創設する。建設業法に基づき、勧告に従わない製造業者を公表したり、罰金を科すこともできる。施工不良が発生した場合、第三者委員会の意見も聞いて製造業者を勧告する必要性を判断する。
　現行の建設業法は、受注者が結ぶ請負契約を対象としているため、建設資材の売買契約は規制の対象外。民法の瑕疵担保責任（契約不適合責任）の規定や損害賠償請求などで民事上の解決を得ることはできるが、建設資材の不具合が建設生産物の施工不良につながっても、現在は許可行政庁が製造業者に対して制度的に関与することはできない。
　生産性向上が求められている建設現場では、プレキャスト製品などの工場製品の活用が広がっていることもあり、施工不良の抑止や再発防止のための法的な枠組みが必要となっていた。
　10月１日に施行される改正建設業法では、不具合が生じた建設資材の製造業者に対し、許可行政庁（国交省、都道府県）が報告・立ち入り検査を行ったり、指示・勧告などの措置を講じる権限を持つ。許可行政庁が勧告しても再発防止策を講じない製造業者を公表したり、罰金を求めることもできるようにする。
　施工不良が発生した場合、許可行政庁は第三者委員会を設置し、有識者らの知見を踏まえて勧告の内容、必要性を判断する。
　
提供：建通新聞社