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2020/07/16

監理技術者マニュアル 専任緩和の条件明示

 国土交通省は、改正建設業法が施行される10月1日までに「監理技術者制度運用マニュアル」を改正する。監理技術者が二つの現場を兼務する場合の専任緩和の条件として、現場の巡回や主要な会議への出席、主な工程への立ち合いが確実に実施できる範囲などと記載する他、監理技術者補佐との職務分担などを発注者に事前に説明することも求める。不適切な施工管理が確認された場合、国交省と都道府県が監理技術者の変更を指示できることも改めて記載する。
 改正建設業法では、請負金額3500万円以上(建築一式は7000万円以上)の工事に求められる監理技術者の専任義務を緩和。10月1日以降、監理技術者は、「監理技術者補佐」を専任させた二つの現場を兼務できるようになる。
 監理技術者補佐には、主任技術者の要件を満たし、21年度に再編される技術検定の1級第1次検定に合格した「1級技士補」の有資格者を充てることができる。現場経験の少ない監理技術者を監理技術者補佐として配置することもできる。
 国交省では、許可部局が監理技術者の配置などを適切に指導する際の指針となる「監理技術者制度運用マニュアル」を見直し、専任義務を緩和する10月1日以降も、同制度が適正に運用されるようにする。
 具体的にはマニュアルで、現場を兼務する監理技術者に対し、現場までの距離の制限を定める。監理技術者が現場で開かれる主要な会議に出席できたり、現場の巡回や主要な工程への立ち合いもできるように求める。
 発注者に対しても、監理技術者が現場を兼務することを事前に説明し、理解を得るようにする。ICTを活用して施工を管理したり、専任で配置する監理技術者補佐と監理技術者の職務分担についても、発注者に報告してもらう。
 建設業法に定められている国・都道府県による監理技術者の変更指示もマニュアルに記載。不適切な施工管理が確認された場合、国・都道府県の許可部局が監理技術者の変更を指示できることを改めて周知。監理技術者が複数の現場を兼務しても適正に施工管理することを促す。
 監理技術者を兼務させる場合、元請けにはこのマニュアルの順守が求められる。公共工事の発注者の中には、契約時の特記仕様書などでさらに制限を課す可能性もある。

提供:建通新聞社