国土交通省の社会資本整備審議会河川分科会は7月9日、気候変動を踏まえた今後の水災害対策に関する提言をまとめ、赤羽一嘉国交相に答申した。気候変動による降雨量の増加を踏まえ、気温上昇に応じた治水計画の見直しと、河川整備と河川区域外の対策(土地利用規制、遊水池の整備など)を総合的に講じる「流域治水への転換」を求めた。
気候変動の影響で災害が激甚化していることを踏まえ、過去の降雨や高潮の実績に基づいていた治水計画を将来の降雨量の増加や海面水位の上昇を踏まえたものに見直す。
あらゆる関係者で流域全体の治水対策を進める「流域治水への転換」も推進。現在は、河川区域内や氾濫域に限って進めていた治水対策を流域全体での対策に見直し。河床掘削や砂防堰堤の整備などの河川区域内での対策に加え、雨水貯留浸透施設の整備、土地利用規制、二線堤の整備、自然堤防の保全などを進める。
国交省は今回の答申を踏まえ、2020年度中に全国の1級河川で「流域治水プロジェクト」を実施する方針だ。
提供:建通新聞社