2020/07/03
手形に関する商習慣 改善へ検討会
中小企業庁と公正取引委員会は、下請け代金の手形による支払いについて、商習慣のさらなる改善を検討する。手形の振り出しから現金化までの日数(手形サイト)や、支払期日前に現金化する場合の割引料について、下請け企業の負担を軽減する。7月中をめどに検討会を設置し、産業界向けに2016年に発出した「手形通達」の再改正を検討していく。
中企庁と公取委は16年に、大手企業と中小企業の取引慣行の改善に向けて手形通達を約50年ぶりに改正。▽可能な限り現金払いとする▽手形で支払う場合は割引料を下請け事業者に負担させないよう、下請け代金を十分に協議する▽手形サイトを60日とするよう努める―ことを親事業者に求めていた。
中企庁によると、この通達に盛り込んだ方針のうち、現金支払の拡大については、下請けGメンによる調査や事業者側のフォローアップにより一定の成果が上がったという。他方、手形サイトの短縮と割引料の負担の在り方については引き続き課題が見つかっている。
今後設置する検討会で通達の見直しを議論するとともに、下請け中小企業の振興基準の改正も検討。11月をめどに方向性を示す。
提供:建通新聞社