全国建設業協会(全建)は6月30日に開いた通常総会で、任期満了に伴い役員を改選、その後の理事会で3期6年にわたって会長を務めた近藤晴貞氏に代わり、新会長に奥村太加典氏(大阪建設業協会理事、奥村組代表取締役社長)を選出した。総会では、地域建設業の経営基盤の安定化や、国土強靭化に向けた安定的な公共事業予算の確保などを盛り込んだ2020年度の事業計画を報告した。
新会長に選ばれた奥村氏は「建設業の担い手確保や働き方改革など、克服すべき課題が山積している。地域建設業が一致団結し、社会的使命を果たし、若者が夢と誇りを持って働ける産業となるよう力を尽くす」と今後の取り組みへの決意を述べた。
一方、退任した近藤前会長は、6年間の活動を振り返り、「各建設業協会の会長など関係者の皆様と、建設業を取り巻く環境変化に恵まれた」と感謝。さらに「今回のコロナ禍によって地方創生の声も強まっている。地方建設業の一層の発展を祈念する」と述べた。
役員のうち4人の副会長には、竹内茂氏(富山県建設業協会会長、婦中興業代表取締役社長)を再任、新たに今井雅則氏(東京建設業協会会長、戸田建設代表取締役社長)、千葉嘉春氏(宮城県建設業協会会長、熱海建設代表取締役)、荒木雷太氏(岡山県建設業協会会長、荒木組代表取締役)を選出した。
20年度の事業計画では、自然災害が多発する中で、「地域の守り手」として地域建設業の役割はますます重要になっていると強調。課題である経営基盤の安定化や担い手の確保が不可欠だとした。重点事業には▽安定的な公共事業予算の確保と災害に強い国土づくり▽働き方改革の推進による職場環境の整備▽地域建設業の経営基盤の強化▽戦略的広報の展開―などを掲げた。
新型コロナウイルス感染症対策では「民間需要の冷え込みが懸念される中、これを埋める公共投資の確保やセーフティーネットの整備などを関係機関に要望する」などとした。
提供:建通新聞社