勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)は、2021年10月1日から適用する建退共の予定運用利回りを「1・6%以上1・8%以下」から「1・3%以上1・5%以下」に引き下げることにした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2019年度の運用成績が悪化したことに対応するもの。6月30日に開いた運営委員会・評議員会で承認された。掛金日額の310円から320円への引き上げとともに厚生労働省に要望する。具体的な利回りは同省の労働政策審議会の部会で審議し、政令で定める。
建退共では3月の運営委員会・評議員会で、21年10月1日から掛金日額を320円に引き上げるとともに、予定運用利回りを現在の3・0%から「1・6%以上1・8%以下」に引き下げることを決めた。
しかし今回の感染問題の影響で、19年度の運用成績が31億円の赤字となり、給付経理の当期損失が214億円に上った。これに伴い759億円の見通しだった累積剰余金の実績は、129億円下方修正して630億円となった。
こういった状況を踏まえ、新たな予定運用利回りをさらに引き下げることにした。
予定運用利回りを「1・3%以上1・5%以下」にした場合、必要な累積剰余金の水準は914億円〜952億円となる。
提供:建通新聞社