国土交通省は、ICTを活用して熟練技能者の技能を見える化し、現場での作業手順を映像で学べる人材育成プログラムを作成する。人の動きを3次元で計測できるモーションキャプチャーを活用し、熟練者と新規入職者の作業手順をデジタルデータで把握。このデータから効率的な作業手順を学べる映像ツールを開発し、2021年度に公開する。
モーションキャプチャーは、マーカーを張り付けた人の動きをデジタルで記録する技術。実際の人の動きを3次元で表現・分析できるため、医学やスポーツ科学の分野に広く利用されている。
建設業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の一環として、ICTを活用して技能の見える化と効率的な人材育成手法を構築する。
対象の職種には、技能者数の多い▽とび工▽型枠大工▽鉄筋工▽内装工▽塗装工▽電気工―など10職種を想定。
各職種の熟練技能者と新規入職者の作業手順をモーションキャプチャーでデジタルデータとして収集。このデータから建設キャリアアップシステムを活用した「建設技能者の能力評価制度」のレベル2(中堅)相当の技能者が身に付ける技能のポイントを整理し、映像ツールに反映させる。
作成した映像ツールをはじめとする人材育成プログラムは、21年度にウェブサイトで公開。専門工事業や技能者個人の技能の伝承に役立ててもらう。
提供:建通新聞社