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2020/06/25

CCUS 利用料金引き上げを提案

 
国土交通省は、6月24日に開いた建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会の運営委員会で、CCUSの利用料金見直しを提案した。同省では、審査・登録費用が当初の想定を大幅に上回った他、開発費の追加が生じたことで、2020年度末の累積赤字が100億円に膨らむとの見通しを説明。早期の赤字解消に向け、10月1日から技能者登録料を現在の2500円から4000円、資本金に応じた事業者登録料を現行の5倍、現場利用料を3円から6円に引き上げる料金引き上げを提案した。
 CCUSは当初、初年度100万人、23年度中に330万人の登録を目標とし、目標の80%の加入で収支を見込んでいた。5月末時点の加入者数は技能者26万5646人、事業者5万1311者と目標を大きく下回っていることに加え、審査・登録費用も想定を大幅に超過している。
 現在の技能者登録料2500円に対し、実際の登録・審査には、インターネット申請で5818円、書面の申請で9188円の費用を要している。オペレーターの増強でコールセンターの経費も当初の想定を年間で3億8000万円超過している。
 これら審査・登録費用が想定を大幅に超過した結果、現在の料金設定では加入者が増えるほど赤字が膨らむことになっているとして、国交省は技能者登録料を4000円、事業者登録料を現在の5倍、現場利用料を6円に引き上げることを提案した。管理者ID利用料は据え置く。
 合わせて、要件定義漏れによるシステムの追加開発が生じたことにより、初期開発投資額として建設業団体が拠出した10億5000万円では不足し、運営主体である建設業振興基金が補塡(ほてん)していると報告。利用料金の引き上げに加え、各団体に追加開発費20億円を出捐(しゅつえん)することを要請した。
 同省は、各団体の意見も踏まえて料金体系を見直し、早期に赤字幅を縮小したい考え。運営協議会で7月中に新料金を決定し、10月1日から適用する。
 会合に出席した国交省の青木由行土地・建設産業局長は「建設業が若い人材を獲得するためCCUSは不可欠」と料金体系の見直しと追加の出捐に理解を求めるとともに「収支予測に幅があることを考慮し、意思決定の仕組みを強化する必要がある」との考えも示した。
 
提供:建通新聞社