トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2020/06/17

トンネル切羽 月2回の粉じん測定義務化

 
厚生労働省は6月15日、粉じん障害防止規則と労働安全衛生規則の一部を改正する省令を公布した。トンネル建設工事を施工する事業者に対し、切羽付近の空気中の粉じん濃度を半月に1回以上測定することを義務付ける。省令の中で、測定結果に応じて換気の強化や呼吸用保護具の使用など、労働者の健康を守るための措置を合わせて義務付ける。粉じんの発生を低減させる新たな工法の活用も促す。公布に先立ち、省令案について諮問を受けた労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会は、発注機関に対して「必要な経費の積算について配慮すべき」とする報告書をまとめている。施行は2021年4月1日。
 粉じん障害防止規則の関連では、トンネル建設工事の坑内作業場について、半月に1回以上、切羽付近の空気中の粉じん濃度を測定することを義務付ける。定点測定の実施場所は切羽からおおむね10、30、50bの地点。発破や機械掘削、ずり出し中はおおむね20、35、50bとする。各地点のトンネルの両側で計測するため、合計6点の測定機器が必要になる。この他、▽切羽で掘削作業に従事している2人以上の労働者の身体▽掘削作業中に切羽で使用する2台以上の車両系機械―などに測定機器を装着・設置することも認める。
 粉じん濃度の目標レベルは2ミリグラム毎立方b。粉じん濃度の評価値が目標値を上回る場合は、設備や作業方法を点検し、換気風量を拡大するなど作業環境の改善対策を実施する。
 さらに、粉じん濃度の評価値に遊離ケイ酸の含有率を乗じて得た値が一定以上の場合は、要求防護性能を備えた電動ファン付き呼吸用保護具の使用を求める。
 粉じん濃度の記録は7年間保存する。
 事業者に対しては、粉じんの発生対策や換気、測定、呼吸用保護具の使用などを盛り込んだ対策計画の策定を求める。また、粉じん濃度を低減させる新たな工法として、▽吹き付けコンクリートの粉体急結材▽エアレス吹き付け機械▽遠隔操作―などの導入を促進。より効果的な換気方式の導入も促す。
 トンネルの掘削作業主任者の職務に粉じん測定や対策の実施を追加。技能講習を1・5時間延長する。
 
提供:建通新聞社