全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、新型コロナウイルス感染症の予防対策について、現場での取り組みをまとめた事例集を作った。地域の中小建設業者でも実践しやすい対策を分かりやすく例示。全建では「緊急事態宣言の解除後も継続していくべき内容」であるとし、中長期的に現場で取り組むよう促している。15日付で全国の傘下建設業協会に配布した。
国土交通省が14日付で作成した『建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン』も踏まえ、特に地域の中小建設業者を対象に事例をまとめた。
具体的には、大規模な設備などを導入するのではなく、現場での工夫などで簡単に実施できる内容を中心に示した。また、実際に現場で対策を講じている写真を多用し、よりイメージを持ちやすくした。
全建では、「国交省のガイドラインと合わせて活用することで、感染防止や地域での社会貢献につなげてほしい」と話している。
具体事例については、@朝礼・危険予知活動での対策A現場事務所での対策B現場作業時の対策C食事・休憩時の対策−に分けた。
朝礼・危険予知活動では、整列時の作業員の間隔を2b程度確保するため、目印としてパイロンやラインを引くことで整列する位置を明示する取り組みや、朝礼への参加者を限定して少人数とする方法などを例示。
現場事務所での対策としては、机上にアクリル板や段ボールなどで簡易なパーテーションを設置することなどを薦めている。現場作業時の対策では、送風機を使った空気の入れ替えや人数制限による「三つの密」を回避する方法などを示した。食事や休憩の時間を分散化することで作業員の密接を防ぐ取り組みなども有効としている。
費用や工期の変更が必要な場合については、国土交通省が直轄工事での設計変更に応じる方針を示すとともに、各自治体にも周知されていることを紹介。公共工事で設計変更が必要な場合には、発注者と協議するよう会員企業に促している。
提供:建通新聞社