国土交通省は、建設業が建設現場やオフィスで事業を継続する際に必要な新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインをまとめた。現場で『三つの密』を回避する対策をはじめ、現場への移動・立ち入り、休憩スペース、作業員宿舎、通勤などで講じるべき具体策を整理。特に、密閉空間での作業が必要な内装工事では、区画を設定したり、作業員の人数制限を行うことを推奨した。
ガイドラインを参考として、緊急事態宣言下だけでなく、宣言の解除後も新型コロナウイルスの感染を予防するため、長期的に各企業、各現場での対策に取り組んでもらう。自社の現場やオフィスにとどまらず、移動時の車内や通勤経路、立ち寄り先を含め従業員らの感染防止を求める。
現場では、三つの密の回避やその影響を緩和するための対策を徹底する。
現場入場時の体温測定、消毒液の設置や定期的な消毒を実施するとした他、熱中症にも留意しつつ、マスク着用を励行するよう求めた、密室・密閉空間となる作業では、作業員間の距離を2b保つように努める。
内装仕上げや設備工事などの室内作業では、工事エリアの区画を設けることを推奨。狭い場所や居室での作業では、スペースに応じて入室制限を講じることも求めた。大部屋での作業でも、工程調整によってフロア別に人数を制限する。閉鎖空間となる作業用エレベーターは、使用ルールの設定も求めた。
作業員を複数の班に分けて入場・退場時間をずらす、時差出勤も推奨した。現場に車両で移動する際は、車両数を増やしたり、近隣に借地して駐車スペースを確保するなど、作業員の同乗・相乗りは避ける。取引先の立ち入りにも従業員に準じた対策を求める。現場見学会の開催は控える。
作業員宿舎が密な状態とならないよう、発注者と協議して十分な広さの宿舎を確保し、1部屋当たりの宿泊人数を少なくしたり、定期的な換気などの対策を講じる。休憩・休息スペースは、2bの距離を確保できるようにし、班別に休憩時間を分散する工夫も講じる。
提供:建通新聞社