帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症についての意識調査結果を発表した。自社の事業継続のために重要な取り組みを複数回答で聞いたところ、「従業員の健康管理」が最多で、これに「従業員の雇用継続」「事前の資金繰り計画」が続いた。一方で最も対応できていないと考える項目は「在宅勤務の推奨」。4割超の企業が重要と認識しているものの、3割の企業が対応できていない。業績への影響については、建設業の43・2%が「既にマイナスの影響がある」、44・6%が「今後マイナスの影響がある」と回答した。
厳しい経営環境の中でも事業を継続していくために、“従業員”への配慮を重視する答えが目立った。回答企業の約7割が「従業員の健康管理」が重要と回答。「従業員の雇用継続」とする答えも6割を超えた。このほか「労働時間の変更」「在宅勤務の推奨」も4割以上となった。
建設業からは、「自社の従業員の身体と雇用を守ることが重要な使命」(管工事)という声がある一方で、「テレワーク等が可能な業種とそうでない業種がある。現場で取り付けるものなどを扱っていると在宅は困難」(建築材料卸売)といった意見があった。また、今後に向けて、「事業計画の見直しを実施。生き残れる体制の構築や必要資金の調達が急務」(冷暖房設備工事)と、当面の対応を急ぐ会社があった。
自社の業績への影響については、全産業計で56・9%が「既にマイナスの影響がある」、31・8%が「今後マイナスの影響がある」とした。全国的に同様の傾向が見られたが、近畿、東海、南関東でマイナスの影響と回答した割合が比較的高かった。
建設業に限定すると「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計が87・8%。2月調査の50%、3月調査の73・8%から、月を追うごとにマイナスの影響が広がっている。
調査は4月16〜30日に全国の2万3672社に実施。1万1961社が回答(回答率50・5%)し、うち建設業は1943社だった。
提供:建通新聞社