国土交通省は、2020年度から直轄工事の監督・検査で試行する遠隔臨場の実施方針を決めた。試行の対象は、施工現場が遠隔地にある工事や、立ち会い頻度の多い構造物の関連工事。受注者が新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として遠隔臨場を希望する場合は、発注者がカメラ・モニターなどの費用を負担する。
遠隔臨場では、現場からリアルタイムで配信された映像データを活用して監督・検査を実施。監督職員は現場を直接訪れないため、受注者にとっても監督・検査の際に生じる手待ちを削減する効果が期待できる。
今年3月に試行のための実施要領を作成していたが、より具体的な20年度の実施方針を決定し、各地方整備局に発注者指定型で年間10件以上を試行するよう求めた。
対象工事は、段階確認・材料確認・立ち会いを映像で確認できる工種とし、特に現場が遠隔地にあったり、立ち会いの回数が多い構造物などの工事から選ぶ。新規に発注する工事だけでなく、施工中の工事であっても設計変更で対象工事とすることができる。
遠隔臨場に必要な費用は、発注者指定型であれば発注者、受注者希望型であれ受注者が負担する。ただ、受発注者の接触を回避し、新型コロナウイルスの感染を防止する目的で遠隔臨場を実施する場合は、受注者の希望であっても発注者が費用を負担する。発注者が負担する費用は、カメラ・モニターの賃料(損料)、カメラの設置費用、通信費、ライセンス代など。
提供:建通新聞社