赤羽一嘉国土交通相は4月24日の閣議後会見で、新型コロナウイルス感染症の拡大が災害復旧工事の現場に影響した場合、「施工体制の工夫などによって、必要最小限の対応ができないか協議する」と現場を継続する姿勢を示した。下請け企業や技能者への配慮にも言及し、工事を一時中止しても「下請企業にしわ寄せが生じることがないよう、適切な対応を求める」と述べた。
国交省の直轄工事では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、受注者から申し出があれば、受発注者で一時中止の対応を協議することにしている。
ただ、災害復旧などの緊急性の高い工事については、受注者から申し出があっても「極力継続」するとの前提で協議する。昨年の台風被害を受けた河川堤防の災害復旧などは、出水期までの完成を目指す工事も多いためだ。
赤羽国交相は、現時点で「応急的な対応が求められる災害復旧工事の中止はないと承知している」と発言。ただ、仮にこうした工事で一時中止の申し出があっても、施工体制の縮小などの対応により、必要最小限の範囲で工事を継続させる考えを示した。
また、一時中止で働き場を失う技能者に対しては、緊急経済対策に盛り込まれた雇用調整助成金の拡充、一人親方などを対象とした給付金制度、納税猶予の特例などが適用できることを周知。継続する工事については「建設現場の三つの密の回避など、感染拡大防止対策を徹底し、工事の円滑な執行に万全を期す」との考えを改めて示した。
提供:建通新聞社