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2020/04/16

石綿則改正へ報告書

 厚生労働省の「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」は4月14日、労働安全衛生法に基づく石綿障害予防規則の改正に向けた報告書をまとめた。解体・改修前の「事前調査」を行う者に対し、一定の講習を受けることなどの要件を新設。調査結果の3年間の保存と合わせ、事前調査を充実強化することとした。また、一定規模以上の解体・改修工事については、石綿含有の有無に関わらず事前調査結果の電子届を求める制度を新設。さらに、ばく露防止措置の強化や、作業計画に基づく作業の実施状況の記録の義務化を盛り込んだ。
 報告書では、石綿の製造・使用が禁止された2006年9月1日以降の着工案件を除く全ての建築物の解体・改修等について、「必ず現地調査を行わなければならない」「工事に関わる全ての部位を調査しなければならない」ことを明確化することとした。
 新設する事前調査者の要件には、現行の建築物石綿含有建材調査者講習を念頭に、一定の講習を修了しているか、それと同等以上の知識・経験を求める。戸建て住宅の解体・改修工事や共同住宅の専有部分の工事の事前調査については、戸建て住宅に関する留意事項や事例に内容を特化した講習も認める。講習体制を確保するため、改正の施行までは3年程度の期間を設ける。石綿の分析者にも、一定の講習を求める。
 事前調査の結果は、現場に備え付ける。調査結果や箇所、調査者を記載した書類の3年間の保存も求める。
 現行では作業届の提出としている「レベル2」(石綿含有保温材など)の作業についても、「レベル1」(石綿含有吹き付け材)と同様に計画届の提出を求める。
 さらに、石綿の有無に関わらない、解体・改修工事の届出制度も新設。対象は▽解体部分の床面積が80平方b以上の建築物の解体▽請負金額100万円以上の、石綿使用の恐れが大きい工作物の解体▽請負金額100万円以上の建築・工作物の解体―。
 ばく露防止措置の強化では、石綿除去などの作業に伴う隔離を解く際に、除去が完了したことを適切に確認することを義務化。仕上げ塗材の電動工具による除去では、湿潤な状態の確保、作業場所の隔離を求める。スレートなどの「レベル3」材料は破砕せず除却することを原則化し、やむを得ない場合に湿潤状態と隔離を求める。

提供:建通新聞社