勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)は、掛金納付の電子申請方式の導入や履行確保の強化、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携などを盛り込んだ、今後の建退共制度についての案を第41回運営委員会・評議委員会に示し、承認された。電子申請方式は10月から試行を開始することとし、7月ごろに参加希望の受け付けを始める。2021年3月までに電子申請の本格実施に移行する。
電子申請方式の試行では150社程度を上限に参加希望を募る。9月に参加企業を決定し、10月に企業IDの送付など準備を開始、1カ月程度の準備期間を経て、電子申請による就労実績報告の受け付けや、退職金ポイントの充当を実施する。試行を経て、21年3月までに本格的に電子申請方式を始める。従来の証紙添付方式も残すため、元請けは電子か証紙のいずれかを選択することになる。
電子申請方式のCCUSとの連携では、電子申請の本格実施に向けて就労実績報告書作成ツールの機能を拡大し、ツールにCCUSのデータを取り込めるようにする。公共工事では、これらの仕組みの活用を通じて、CCUSと連携した電子申請の活用の徹底を目指す。
また、CCUSの施工体制登録などを条件に、工事の進捗に応じた掛金納付などの新たな仕組みも検討していく。公共工事の掛金の払込みは現在、工事契約後1カ月以内だが、掛金収納書の提出時期を工事完成時とし、工事の進捗に応じた掛金納付を可能にしていきたい考えだ。
さらに民間工事においても、建退共制度とCCUSの普及を促進するため、CCUS適用民間工事向けの現場標識を導入する。
建退共制度の履行の強化策では、▽受注者が、当該工事での共済証紙購入の考え方を記載して発注者に提出する掛金収納書の提出用台紙▽工事完成後に受注者が、労働者の就業日数や建退共の掛金充当日数などについて発注者に提出する「掛金充当実績総括表」―などを新た導入したい考え。21年4月以降に発注される公共工事からの適用をめどに国土交通省や厚生労働省と調整する。
提供:建通新聞社