トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2020/04/08

緊急経済対策 公共投資は早期執行

 政府は4月7日、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急経済対策を閣議決定した。財政支出39兆円、事業規模108兆円に上る対策を速やかに実行に移し、感染拡大の防止と収束後の経済回復を目指すとしている。公共投資については、すでに成立している2019年度補正予算と20年度当初予算の早期執行で景気を下支えする方針が盛り込まれた。20年度上半期の契約率目標も定め、早期の執行を促す。
 緊急経済対策の柱は、▽感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発▽雇用の維持と事業の継続▽官民挙げた経済活動の回復▽強靭(きょうじん)な経済構造の構築―。同日に閣議決定した20年度補正予算案を対策の財源としており、政府は4月中に補正予算案を成立させ、対策を実行に移す考えだ。
 公共投資は、新型コロナウイルスの影響があらゆる産業に及んでいることを踏まえ、成立済みの予算を早期に執行して景気の下支えを狙う。
 公共事業費は、19年度補正予算で1兆5699億円、20年度当初予算で6兆8571億円が確保されており、20年度上半期の契約率の目標を定め、各省庁で早期の予算執行を図る。さらなる経済対策の実施も見据え、国土強靭化を図るための公共投資を機動的に推進する方針も示した。
 雇用調整助成金については、4月1日〜6月30日を「緊急対応期間」と位置付け、助成率を中小企業5分の4、大企業3分の2に引き上げる。さらに、従業員を解雇しない場合は、中小企業10分の9、大企業4分の3に引き上げる。
 中小・小規模事業者と中堅・大企業の資金繰り対策にも万全を期す。個人事業主や、売り上げが急減した中小・小規模事業者に対する実質無利子・無担保の資金繰り支援を継続。金利負担と返済負担を軽減するため、日本政策金融公庫などの既往債務は実質無利子・無担保融資に借り換えることができるようにする。
 新型コロナウイルスの感染拡大が進む中で広がった、テレワークや遠隔教育などの動きを加速する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を経済対策で後押しする。建設分野では、23年度までに全ての公共事業にBIM/CIMを活用し、生産性を抜本的に向上させるとした。

提供:建通新聞社