国土交通省は4月7日、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言の発令を受け、対象地域で施工する直轄工事の対応を決め、各地方整備局などに通知した。入札・契約は、公共事業の早期執行に向けて継続的に実施。テレワークによる作業効率の低下に配慮し、技術資料などの提出期限は延長する。契約済みの工事・業務は、通年の維持工事・災害復旧は「極力継続」し、その他の工事・業務は、受発注者が協議して継続か一時中止を判断する。
新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県が対象地域。
政府は同日、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を改正し、この中で「河川や道路などの公物管理」と「公共工事」を、事業継続が求められるものと位置付けた。国交省は改正された方針を踏まえ、新型コロナウイルスの感染防止に十分に配慮しつつ、直轄事業を継続する考えを決めた。
すでに成立した2019年度補正予算と20年度当初予算を早期執行し、新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいる景気を下支えするため、入札・契約は継続的に執行する。ヒアリングなどは可能な限り省略し、テレビ会議などにも対応する。
入札手続き中の工事・業務と、今後公告する工事・業務について、各地整の判断で競争参加資格確認申請書や技術資料などの提出期限の延長を認める。テレワークなどによって、これらの資料作成の効率が低下することを踏まえた措置だ。
一方、契約済みの工事・業務では、まず監督職員が受注者の意向を改めて確認。受発注者間で協議し、受注者が一時中止を希望する場合には「受注者の責めに帰すことができないもの」として、発注者が中止期間中の費用を適切に負担する。通年の維持工事と災害復旧は、極力継続する前提で受注者と協議する。
工事・業務を継続する受注者には、密閉・密集・密接の『3密』を回避するなど、適切な感染拡大防止対策を講じるよう求める。業務の受注者にはテレワークなども推奨する。
対象地域以外の直轄工事・業務ではこれまでと同様に対応。受注者から申し出がある場合、「受注者の責めに帰すことのできないもの」として一時中止を指示する。
提供:建通新聞社