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中央ニュース

2020/04/05

交付金事業 積極的な債務負担の活用を

 国土交通省と総務省は、施工時期を平準化するため、交付金事業に債務負担行為を積極的に活用するよう、地方自治体に呼び掛けている。交付金を充当する工事では、後年度に支出する予算が国の承認を受けていないため、債務負担の設定を避ける自治体が多い。両省では「一括設計審査」や「早期着手交付申請」といった制度を活用すると、後年度支出に一定の担保が得られるとして、これらの制度によって複数年度の債務負担を設定し、施工時期の平準化を推進するよう求めている。
 3月31日に国交省土地・建設産業局建設業課長と総務省自治行政局行政課長の連名で、都道府県・政令市の財政部局と契約部局に通知した。
 品確法改正で発注者の責務に追加された施工時期の平準化を進めるためには、「債務負担を活用した複数年度にわたる工期設定」が有効策の一つとなる。公共工事の閑散期である第1四半期の施工量を確保できるためだ。
 ただ、社会資本整備総合交付金を財源に充てる工事に債務負担を設定する場合、初年度分の国費は確定するが、後年度の国費の支出額が確定せず、自治体が仮に予算を充てる必要がある。国交省・総務省の通知では、一括設計審査と早期着手交付申請を活用すると、後年度の支出額に一定の担保を得ることができるとして、これらの活用を推奨している。
 一括設計審査では、自治体が交付金事業を複数年度で発注する場合、初年度にまとめて地方整備局などの審査を受ける。自治体は一括設計審査の承認を受けた上で債務負担を設定。さらに、通常は翌年の6月ごろになる後年度分の交付決定についても、早期着手交付申請を活用すると、交付決定の効力を4月1日から生じさせることができるという。

提供:建通新聞社