国土交通省は、交通誘導警備員の確保が難しい直轄工事で、工事用信号機の活用を検討するよう、地方整備局などに通知した。現道で施工する公共工事に配置する交通誘導警備員の不足が、入札不調・不落の要因の一つになっている。車両の通行が少ない山間部の工事や夜間工事などでは、交通の安全性を確保できることを条件に工事用信号機の活用を認める。
3月31日に大臣官房技術調査課長名で地方整備局などに通知した。
交通誘導警備員の配置計画は、工事の受注者が地元の警察署などに道路使用許可を求める必要があり、工事用信号機を使用する場合も警察署との協議が必要になる。
このため、警察庁も警視庁と各道府県警察本部に事務連絡を送り、道路工事の受注者が道路使用許可を求めた場合、許可の条件を必要最小限度とするよう指示した。
また国交省の通知では、交通誘導警備員の経費の積算についても指示。遠隔地から警備員を確保する場合に労務管理費・交通費・宿泊費が設計変更の対象となることを入札公告に明示するよう求めた。山間部の現場で、移動時間を含めると1日8時間の作業時間を確保できず結果的に増額となった場合などの労務費も設計変更の対象とする。
発注者、建設業団体、警備業関係団体、警察当局でつくる交通誘導警備員対策協議会が設置されている地域では、施工業者が交通誘導の役割を担う「自家警備」の条件整理を行うことも要請。警察・警備業側と協議し、自家警備を実施する工事の現場条件や資格要件を整理することを求めた。
提供:建通新聞社