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2020/03/26

建築設計の働き方改革でガイドライン

 国土交通省は、建築設計業務の受注者の長時間労働を是正するため、「働き方改革に配慮した建築設計業務委託のためのガイドライン」をまとめた。中小企業にも時間外労働の罰則付き上限規制が4月に適用されることを見据え、建築設計業務を発注する上で適正な履行期間の設定や、手戻り防止に向けた留意事項を規定した。地方自治体など公共建築の発注者にも周知する。
 建築設計事務所には、2019年4月1日から罰則付きの時間外労働規制が適用されており、今年4月からは中小企業にも規制が適用されるようになる。さらに、改正品確法でも、調査・設計が対象に位置付けられ、発注者からは、受注者の働き方改革に配慮する責務が求められることになった。
 国交省は、日本建築士会連合会(三井所清典会長)、日本建築士事務所協会連合会(佐々木宏幸会長)、日本建築家協会(六鹿正治会長)の意見も踏まえ、建築設計業務の発注者が受注者の働き方改革を後押しするためのガイドラインを定めた。
 ガイドラインではまず、発注段階で適正な履行期間を設定するためのポイントを解説。設計条件と業務内容を明確にし、過去の実績も踏まえて履行期間を設定する。計画通知や許認可手続きや都市計画手続きなどの調整に要する期間も履行期間に盛り込むよう求めた。
 建築設計業務のプロセスを管理し、受注者側の手戻りを防止する必要性も指摘。具体的には、業務全体の工程を左右するクリティカルパスを考慮した「業務スケジュール管理表」を活用し、受発注者間で進捗状況を確認する。受発注者間の確認事項や回答・対応を一覧表にすることも求めた。
 業務環境の改善と生産性向上にも取り組む。発注者からの金曜日の依頼や月曜日期限の依頼を禁止したり、業務時間外の会議を開かない「ウイークリースタンス」を徹底。テレビ会議やASP(情報共有システム)の活用による業務の効率化も図る。
 建築設計業務にプロポーザル方式を採用する場合は、技術提案書の作成期間から大型連休、年末年始、夏季休暇を除外し、十分な作業期間を確保。技術提案書の提出枚数を減らし、応募者の負担を軽減する。

提供:建通新聞社