国土交通省は、建設分野の特定技能で2020年度に国内試験を実施する方針を固めた。法務省は国内試験の受験資格を緩和し、4月1日から観光ビザなど短期滞在の外国人が受験できるようになる。職種変更を希望する実習期間中の技能実習生の受験も認める。国交省は、実施機関である建設技能人材機構(JAC、才賀清二郎理事長)とともに受験者のニーズを把握し、国内試験を実施する職種を決める。
特定技能の在留資格取得には、日本語試験と技能評価試験に合格する必要がある(技能実習修了者を除く)。これまでも、留学生らを対象に宿泊業が国内試験が実施するなど、国内で試験を実施することも制度上認められている。
受検資格見直しにより、より多くの受験者が見込めるようになる。現行の制度では、日本に3カ月以上在留した経験がある「中長期在留者」に限って受験が認められているが、4月以降は中長期在留歴がなくても国内試験が受験でき、観光ビザなどで日本を訪れた短期滞在でも受験が可能になる。
日本に在留している技能実習生らの受験も認められる。技能実習生は、同じ職種であれば実習修了後に試験を経ずに特定技能へと在留資格を移行できるが、例えば「鉄筋施工」から「鉄筋継手」への職種変更を希望する場合、実習期間中の受験を認める。
ただ、試験に合格しても、実習期間中に特定技能への在留資格変更は原則としてできない。試験合格者は、実習期間を修了した後でなければ、特定技能の入国審査を受けることはできない。
国交省は、特定技能の技能評価試験と日本語試験をまず海外で実施する方針でおり、JACは3月17日にフィリピンで「電気通信」の試験を初めて行う。20年度には他の職種の試験もベトナムやインドネシアなどで試験を行う予定。
一方、今回の受験資格の緩和により、国内試験の受験できる外国人の間口が広がることを受け、国内試験も20年度に行う方針を決めた。国内試験を行えば、海外試験を行っていない外国人が観光ビザで日本を訪れて受験することも可能になる。
提供:建通新聞社