建設分野での特定技能外国人の受け入れ対象職種を追加するため、政府はきょう2月28日、分野別運用方針の改正を閣議決定する。特定技能外国人を受け入れる業界内の合意があり、海外での技能評価試験を実施する体制が整っていることを条件として受け入れ対象に7職種を追加し、合計18職種=表参照=での受け入れを認める。今回は「とび」や「建築大工」といった技能実習の受け入れ人数が多い職種の追加により、技能実習生の92%が特定技能に移行できるようになる。
分野別運用方針は、改正入国管理法の成立後、2018年12月に閣議決定。特定技能外国人を受け入れる各14分野で、受け入れ企業の要件や受け入れ見込み数、受け入れ職種などを定めている。
今回の改正では、建設分野の受け入れ対象職種として、国土交通省と各職種の専門工事業団体との協議が調った7職種を追加する。職種の追加は建設分野が初めて。このうち技能実習生を受け入れている職種は▽とび▽建築大工▽建築板金▽配管▽保温保冷−の5職種。これにより、技能実習と外国人建設就労者の受け入れ対象分野25職種38作業のうち15職種24作業が受け入れ対象となる。
2017年度の技能実習1号から2号への移行者数を見ると、今回追加した「とび」は3935人で、受け入れ対象の18職種で最多。この他にも、建築大工が1089人、配管が527人と続いており、追加後の18職種で建設関係の技能実習生の92%をカバーできるようになる。
受け入れ対象に追加された職種の専門工事業団体は、建設技能人材機構(JAC、才賀清二郎理事長)への正会員としての加入手続きを進める。正会員として認められれば、団体傘下の企業に所属する技能実習生と外国人建設就労者は、在留資格を特定技能へと移行する要件の一つをクリアする。団体に未加入の企業も、JACの賛助会員になれば、受け入れの要件の一つを満たす。
一方、技能実習がない「吹付けウレタン断熱」と「海洋土木工」の2職種では、海外試験を実施し、試験合格者が出ると初めて特定技能外国人の受け入れが認められる。国交省は、技能実習から移行できる5職種も含め、20年度中に海外試験を実施できるよう、準備を進める。
提供:建通新聞社