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中央ニュース

2020/02/26

高ストレス・不眠、ヒヤリハット1・2〜2・0倍

 建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)の「建設業におけるメンタルヘルス対策のあり方に関する検討委員会(委員長、櫻井治彦・慶應義塾大学名誉教授)」が、心身の状態と災害の疑似体験であるヒヤリハットとの関連を調査した結果、高ストレス、不眠の人はそうでない人と比較してヒヤリハットを体験した人の割合が1・2〜2・0倍高くなったことが分かった。建設労務安全研究会が25日に開いた「令和元年度第2回労研セミナー」の中で発表した。
 この調査結果からは、調査時点から過去1年間に労災につながるようなヒヤリハットを体験した人の割合が58・2%にも達していることも分かった。
 建災防は調査対象の建設現場ではリスクアセスメント活動が活発に行われていることに着目。これまでヒヤリハットは労働災害の疑似体験だとしてきた考えを改め、ヒヤリハットの撲滅が労働災害の撲滅につながるという考え方だけでなく、ヒヤリハットを「労働災害に至る前にリカバリーした成功体験でもある」と捉える必要があると考え方を修正。レジリエンス力(予測、注視、対処、学習)を養うために現場での安全衛生活動や現場でのストレス状況についても調査した。
 その結果、「仕事のコントロールを高める」ことが、ストレス反応を低減させ、レジリエンス力を高める活動につながることや、「職場の人間関係」が日常のさまざまな取り組みに影響を与えていることなどが分かったと報告。
 また、この調査結果から、労働災害発生率の高い若年層(20歳未満)では「定期的なイベント(懇親会、悩み相談、危険体感教育)など」がレジリエンス力の向上に有効であることを確認したことも報告した。

提供:建通新聞社