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2020/02/10

積算基準改定 工期延期で間接工事費増額

 国土交通省は2月7日、2020年度の直轄工事に適用する土木工事積算基準を発表した。天候要因など受注者に責任がなく工期延期した場合、延期に伴う現場経費の増加を発注者が負担できるよう、工期と連動した間接工事費の基準を整備。ICT施工では、共通仮設費と現場管理費に補正係数を設定したり、ICT建機施工の損料・賃料に市場単価を導入する。例年より1カ月前倒しで基準を改定したため、3月1日以降に入札する工事は契約変更で新基準を適用できるようになる。
 積算基準では、発注者の指示で一時中止した場合に間接工事費(現場管理費、共通仮設費)を増加するルールはあるが、天候不順など受注者に責任のない要因で工期を延期した場合にも間接工事費を増加できるようにする。この基準を適切に運用できるよう、発注段階で天候要因による休日日数を条件明示する。
 ICT施工では、共通仮設費と現場管理費に含まれる▽3次元出来形管理▽3次元データ納品▽社員等従業員給与手当▽外注経費等―の積算を通常工事と同じ経費率で積算している。現場実態を踏まえて共通仮設費に1・2、現場管理費に1・1の補正係数を設定する。ICT建機施工の損料・賃料には、地域ごとの市場単価を反映する。
 小規模なICT施工については、現場条件によって標準のICT施工機械(クローラ型山積0・8立方b)が搬入できない現場で、見積もりを活用することを基準に明記。ICT施工の新規工種として、地盤改良工(深層混合)の「スラリー撹拌工(ICT)」と舗装工(修繕工)の「切削オーバーレイ工(ICT)」の2工種を新設する。
 この他、19年2月から墜落制止用器具(古ハーネス型)の原則使用が求められたことに伴い、厚生労働省の助成分などを除く費用の一部を積算に盛り込む。
 改定後の積算基準は、入札書提出締切日が4月1日以降の案件に適用する。ただ、旧基準で予定価格を設定した工事でも、入札書提出締切日が3月1日以降であれば、契約後に新基準を適用できるようにする。受注者が請求すれば、新基準に基づく予定価格に当初契約時の落札率を乗じた額で契約変更する。

提供:建通新聞社