国土交通省は、「BIM/CIM運用拡大に向けた全体ロードマップ」を見直し、2025年度に全ての直轄事業にBIM/CIMを原則として適用する目標を打ち出した。3次元モデルの形状・属性情報の標準化、設計照査・契約図書への活用などの環境整備を進め、5年後の全事業への適用を目指す。20年度には、適用対象を「大規模構造物の予備設計」へと拡大する。
直轄事業におけるBIM/CIMは、12年度の導入開始から適用件数を毎年度伸ばしており、19年度は12月末時点262件(設計183件・工事79件)と、すでに前年度の適用件数を上回っている。未契約の工事・業務などを加えると、19年度末までに約420件への適用が見込まれており、19年度当初に定めた目標(400件以上)を達成する見通しだ。
国交省は、2月5日に開いたBIM/CIM推進委員会で、BIM/CIMの普及をさらに拡大するため「BIM/CIM運用拡大に向けた全体ロードマップ」を見直し、25年度に全ての直轄事業にBIM/CIMを原則適用する目標を定めた。
適用件数の拡大に加え、3次元モデルの形状と属性情報を標準化してシームレスな運用を可能にしたり、ワークフロー(仕事・業務の流れ)の標準化を進める。設計照査や契約図書、設計協議への活用など、BIM/CIMを高度利用できる環境も整える。BIM/CIMに精通した技術者の育成などにも取り組む。
5日の会合では、ロードマップ見直しとともに、20年度のBIM/CIM活用の実施方針も決定。この中では、BIM/CIMを原則適用する対象をこれまでの「大規模構造物の詳細設計」から「大規模構造物の予備設計」に拡大。さらに、前工程で作成した3次元データの成果品がある業務・工事にも、BIM/CIMを原則適用する。
BIM/CIMを適用した工事・業務の要件として設定するリクワイヤメントには「BIM/CIMを活用した監督・検査の効率化」を追加。BIM/CIMと3次元計測を連携させ、効率的な監督・検査を行うことを求める。
提供:建通新聞社