政府は2月4日、歩行者中心の道路空間の構築や、官民が連携した交通結節点の整備を推進するための道路法等改正案を閣議決定した。高速バスやタクシー専用の交通ターミナルを整備する「バスタプロジェクト」を全国に展開するため、公共施設等運営権制度(コンセッション)の対象に追加。「歩行者利便増進道路」の指定制度も創設し、歩行者が快適に通行、滞留できる新たな道路構造基準を適用する。
東京・新宿駅西口に2016年に開業した高速バス専用ターミナル「バスタ新宿」を全国に展開するため、バスタを道路法の道路付属物に位置付けて官民で施設整備できる法的な枠組みを整える。
施設運営にコンセッションの活用を認め、民間事業者が利用料金を徴収して施設を運営できるようにする。バスタから高速バスを利用する乗降客を2030年度までに年間5000万人とすることを目指す。
歩行者利便増進道路に指定した道路では、新たな道路構造基準を適用して歩行者が安心・快適に通行できる道路空間を整備する。指定道路の沿道では、公募した占用者に最長20年の占用を認める。無電柱化に対する無利子貸し付けの対象にもする。25年度末までに50区間の指定を目指す。
この他、地方自治体が管理する道路の道路啓開と災害復旧を国が代行できるよう、国代行制度を拡充。自動運転を補助する磁気マーカーなどを道路付属物に位置付け、設置費用に対する無利子貸し付けも行う。
提供:建通新聞社