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中央ニュース

2020/01/31

品確法運用指針 関係省庁が申し合わせ

 政府の「公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議」は1月30日、品確法の「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)を改正することを申し合わせた。品確法改正に伴い、災害時の緊急対応、調査・設計の品質確保、働き方改革、生産性向上(ICT技術の活用)を発注者に求める内容。国土交通省が運用指針の解説資料も3月中に見直し、改正した運用指針の運用を4月から開始する。
 品確法第22条に基づく運用指針は、地方自治体、学識経験者、建設業団体の意見を踏まえて作成し、公共工事の発注者が適切に発注関係事務を運用するための指針となるもの。2015年1月に初めて策定され、昨年6月の改正品確法成立に伴って5年ぶりに見直した。
 自然災害の激甚化・頻発化に備えるため、発注者に対して随意契約や指名競争入札を活用して災害復旧の入札契約手続きの迅速化を求める。災害協定を事前に締結し、施工体制、地理的状況、施工実績を踏まえた最適な受注者を選定し、書面で契約することを改めて要請している。被害状況を正確に把握できない場合には、概算数量で発注して契約変更によって対応することも求めている。
 建設業の働き方改革にも効果がある施工時期の平準化については、発注見通しの統合、繰越明許費・債務負担行為の活用、入札公告の前倒しなどの具体策を実施することを明記。公共工事の現場で適正な労働環境を確保するため、下請け業者への賃金支払いや現場の労働時間の実態把握に努めることも求めた。
 受発注者の情報共有や協議の迅速化を図り、現場の生産性を高めるため、BIM/CIMや3次元データ、情報共有システム(ASP)の活用を促した。材料検査や出来形検査などの現場臨場が必要な検査にウエアラブルカメラを活用し、受発注者双方の省力化に努めるとも記載している。
 これまで工事に準じた対応を求めていた調査・設計の品質確保については「適正な履行期間の設定」「履行期間の平準化」「適切な設計変更」など、工事と同じ水準で発注関係事務を運用することを求める。業務の特性に応じ、価格競争、プロポーザル方式、コンペ方式、総合評価落札方式の適切な選択も求めた。

提供:建通新聞社