建設経済研究所と経済調査会は、2020年度の建設投資(名目値)を前年度比1・8%増の63兆2700億円とする見通しをまとめた。政府の19年度補正予算を推計に加えたことで、政府建設投資は昨年9月の前回推計から8500億円上方修正し、3・5%増の22兆3200億円に伸びるとした。民間住宅投資は1・2%減の17兆0200億円に落ち込むが、政府建設投資の伸びに支えられ、建設投資全体は5600億円の上方修正となる。
19年度補正予算が推計に加わったことで、政府建設投資は19年度に4・2%増の21兆5800億円、20年度に3・5%増の22兆3200億円といずれも前年度を上回ると予測した。20年度の政府建設投資のうち、建築投資は3・2%増の6兆0400億円、土木投資は3・6%増の16兆2800億円になるとしている。
20年度の民間住宅投資は1・2%減の17兆0200億円、住宅着工戸数も4・2%減の85万4500戸になると推計。政府の住宅取得支援策が終了する影響で、持ち家は4・1%減の27万3000戸、分譲住宅は2・3%減の26万戸に落ち込む。相続税の節税対策による着工増の反動減が続く貸家も5・9%減の31万5500戸とした。
民間非住宅投資は3・0%増の17兆6200億円になるとみている。建築投資は1・3%増の11兆6400億円で、大都市圏で大型再開発の着工が見込まれる事務所の着工床面積が引き続き高い水準を維持する。工場は更新投資が一服し、12・0%減となった19年度と同じ水準で推移する。
民間土木投資はリニア中央新幹線が後押しし、6・5%増の5兆9800億円と高い伸びになる。
建築物リフォーム・リニューアル投資は1・2%増の7兆7100億円。政府投資は2・0%増の1兆3700億円、民間投資は1・0%増の6兆2400億円と予測している。
提供:建通新聞社