政府の2019年度補正予算案が1月30日の参院本会議で可決、成立した。政府が3年ぶりに編成した経済対策の財源となる補正予算は総額3兆1946億円のうち、公共事業費に国費1兆5699億円を計上。昨秋に発生した一連の台風被害からの復旧・復興に加え、気候変動によって激甚化する自然災害に備えた防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のためのインフラ整備に重点的に予算を配分する。
経済対策は、災害からの復旧・復興や消費増税に伴う経済の下振れリスクの回避、東京五輪後の経済成長を目指したもの。30日に成立した19年度補正予算に加え、3月中の成立を目指す20年度当初予算案を財源にする。
補正予算には、台風19号などで被害を受けたインフラの災害復旧事業に4859億円、災害廃棄物処理に456億円などを計上。台風被害を教訓として、河道掘削・堤防のかさ上げなどの治水対策に2437億円、雨水貯留施設の整備などの内水浸水対策に673億円、道路のミッシングリンクの解消に898億円、無電柱化の推進に205億円を計上している。
この他、学校施設の耐震化と防災機能強化には964億円、矯正施設の耐震化・老朽化対策にも148億円を盛り込んだ。
東京五輪後の経済活力の維持・向上を見据え、生産性向上を支える道路・港湾などの物流ネットワーク整備に838億円、都市再開発の加速にも178億円を計上。中小企業の人手不足を補うICT機器などの導入を支援する「中小企業生産性革命推進事業」として3600億円を確保する。
提供:建通新聞社