国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録情報を活用する「専門工事企業の施工能力の見える化評価制度」の告示案をまとめた。CCUSに登録した事業者・技能者情報を活用して建設技能者の人数・技能レベル・施工実績を見える化し、施工能力に優れた専門工事企業が発注者・元請けから適正に評価される環境を整備する。告示が施行される4月1日から、専門工事業団体が職種の特性に応じた評価基準を策定。国交省が基準を認定し、各団体が企業からの評価申請を受け付ける。
1月29日から告示案のパブリックコメントを開始した。評価項目や評価方法を定めるガイドラインも3月中にまとめ、4月1日以降に専門工事業団体から評価基準の申請を受け付ける。
評価項目は、3月中にまとめるガイドラインで全職種必須の「共通評価」と、職種ごとに設定する「選択評価」を示す=表参照=。CCUSの登録情報を評価に活用するため、評価対象の企業はCCUSへの事業者登録が求められる。
共通評価では、企業の基礎情報・施工能力・コンプライアンスを評価する項目を設定。施工能力の評価では、所属する建設技能者の人数(建設キャリアアップカードの保有者数)に加え、建設技能者の能力評価を受けた所属技能者のうちレベル3以上の評価を受けた者の割合などを評価する。
コンプライアンスの評価項目では、不良不適格業者の排除を目的として、社会保険加入や建設業許可行政庁からの処分歴などを評価する。
選択評価では▽建設機械の保有状況▽登録基幹技能者の有無▽2次下請企業を含めた動員力▽表彰実績の有無―などをガイドラインで例示し、各団体が職種の特性に応じて項目を選択、評価基準に盛り込む。
国交省のホームページで公表する評価結果は、各項目の評価点に応じて1〜4段階の☆印で表示する。評価点や評価点を合算した総合評定値などは示さない。
評価基準を策定し、各企業の評価事務を行う「評価実施機関」は、建設技能者の能力評価基準の評価実施機関である専門工事業団体が担う。国交省は、評価事務の負担を軽減する評価システムを国費で開発し、2021年度から稼働させる。