国土交通省は、防災性能や省エネ性能に優れた市街地再開発事業を補助する「防災・省エネまちづくり緊急促進事業」で、BIM導入を補助率を引き上げるための要件にする。2020年度に拡充する同事業で、再開発ビルの本体工事費を対象とする補助金を上乗せできる要件の一つに追加した。
防災・省エネまちづくり緊急促進事業は、市街地再開発事業・優良建築物等整備事業・住宅市街地総合整備事業の本体工事費を補助するもの。20年度当初予算案では、19年度末を期限としていた事業期間を24年度末まで5年間延長するとともに、事業費を前年度比9・9%増の82億9200万円に増額した。
同事業では、必須要件5項目(防災対策、省エネ対策、環境対策、高齢者等配慮対策、子育て対策)を達成した再開発事業には建設工事費の3%を支援。これに加え、選択要件4項目(雨水対策、木材利用、子育て対策、生産性向上)も設け、選択項目を1項目達成すると補助率を5%、2項目を達成すると7%に補助金を引き上げる。選択項目の一つである生産性向上の項目で、設計・施工段階でのBIM導入を求める。
国交省は、建築物の計画から維持管理に一貫してBIMを活用するための「BIM標準ガイドライン」を3月までにまとめる予定。20年度当初予算案では、このガイドラインを適用した建築プロジェクトを支援する「BIMを活用した建築生産プロセス円滑化モデル事業」に2億円を計上している。
提供:建通新聞社