登録基幹技能者を対象とする、建設キャリアアップシステム(CCUS)への技能者登録だけでゴールドカードを交付する特例措置が3月末で終了する。建設キャリアアップカードを取得するためには、CCUSへの技能者登録後に評価基準に沿った能力評価を受けなくてはならないが、運用初年度の2019年度は、登録基幹技能者の能力評価を省略する特例が設けられている。特例措置が終了する4月以降は、正規の手続きと評価手数料の支払いが必要になるため、国土交通省はCCUSに未登録の登録基幹技能者に早期の登録を呼び掛けている。
建設技能者の能力評価制度では、CCUSに登録された保有資格と就業履歴で、技能者の技能レベルを判定する。職種によって各レベルに求める経験が異なるため、専門工事業団体が職種別の能力評価基準を策定し、この基準に基づいて技能者を4段階で評価する。
レベル判定を受ける技能者は、まずCCUSに登録して建設キャリアアップカードを取得。その上で専門工事業団体の能力評価を受け、技能レベルに応じて色分けされた建設キャリアアップカードの再交付を受ける。
ただ、能力評価で就業履歴を問わない登録基幹技能者については、CCUSへの技能者登録だけでレベル4相当のゴールドカードを取得できる。この措置は、専門工事業団体が能力評価基準を策定するまでの特例として設けられたもので、登録基幹技能者講習を実施している35職種の能力評価基準が定まる3月末で終了する。その後は、登録基幹技能者であっても正規の能力評価の手続きを踏み、ゴールドカードを取得する必要がある。
約7万人に上る登録基幹技能者のうち、CCUSの技能者登録を済ませた技能者は約1万7000人と全体の2割にすぎない。特例が終了する4月以降は、能力評価の評価手数料(2000〜3000円)、カード更新手数料(1000円)などの費用負担も生じるため、国交省は登録基幹技能者講習を実施している専門工事業団体を通じ、3月までにCCUSに登録するよう求めている。
提供:建通新聞社