中部電力(名古屋市東区)と東京電力ホールディングスが共同で設立したJERA(東京都中央区)は、国内外の洋上風力発電事業について、清水建設(東京都中央区)と覚書を締結したことを明らかにした。両社が持つノウハウや資産を活用し、洋上風力発電事業の協働の可能性を追求する。当面は、秋田県の能代市・三種町・男鹿市沖や由利本荘市沖などを対象に、国が実施する公募に向けて準備を進める。
JERAは、これまでに大規模な電源開発を行ってきた経験があることに加え、英国や台湾で洋上風力発電プロジェクトに事業参画し、建設や運転に関するノウハウを保有。一方で、清水建設は陸上・洋上の風力発電設備の設計・施工に関するノウハウがある上に、大型洋上風車の建設に対応する最新鋭の自航式SEP船(Self−Elevating Platform 自己昇降式作業船)を建造中だ。両社は「それぞれのノウハウや強みを活用しながら協働することで、国内外の洋上風力発電の導入拡大に貢献する」としている。
当面は、洋上風力発電普及法に基づき、促進区域の第1弾として公募する予定の「由利本荘市沖」「能代市、三種町および男鹿市沖」(ともに秋田県沖)などについて、本格的な準備を進める。また、さらに新たな事業開発に向けて適地探索や技術検討なども行う考えだ。
JERAは、洋上風力発電を含む再生可能エネルギーの発電容量を2025年度までに現在の約110万`hから500万`hまで引き上げる考え。1月14日には、洋上風力発電事業を手掛けるグローバル企業で組織する海洋再生可能エネルギー連合に参加することも発表している。また、JERAが発足する直前の19年2月には、中部電力が再生可能エネルギー設備の拡大に向けて、19年度からの5年間に1000億円規模の投資を計画していることを明らかにしていた。
提供:建通新聞社