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2020/01/06

労政審、70歳まで就業の法整備を建議

 労働政策審議会(会長、鎌田耕一・東洋大学名誉教授)は12月25日、今後の高年齢者の雇用・就業機会の確保と中途採用に関する情報公表について加藤勝信厚労相に建議した。労政審は70歳までの就業機会の確保について事業主が一定の措置を講じることを求める法制度の整備(高齢者雇用安定法改正)をはじめとした環境整備の必要性を指摘。70歳までの措置については「60歳まで雇用していた事業主が、法律上、措置を講じる努力義務を負うと解することが適当」との認識を示した。
 70歳までの就業機会の確保を図る措置としては、▽定年廃止▽定年延長▽継続雇用制度の導入―といった現行の高齢者雇用確保措置と同様の措置に加え、▽特殊関係事業主以外の企業への再就職に関する制度▽フリーランス▽起業による就業に関する制度▽社会貢献活動に従事する制度―などを挙げ、これらの措置のいずれかを講じることを事業主に対する努力義務とすることが適当とした。
 ただ、努力義務を設けるに当たっては、65歳以降の高年齢者の体力や健康状態、その他に本人を取り巻く状況が多様なものになるとして、事業主が講じる措置について対象者を限定することを許容。その基準について労使で合意を図ることが望ましいとして、70歳までの雇用確保措置に関する指針を定め、その中で基準を明示するよう求めた。
 政府は19年6月に閣議決定した成長戦略実行計画の中で、65歳〜70歳までの就業機会を確保するための多様な選択肢を法制度上許容し、企業がどのような選択肢を用意するか労使で話し合う仕組みや、企業が個人と相談し、選択できる仕組みを検討する必要があるとの考えを表明。厚労相の諮問を受けて、労政審は70歳までの就業機会を確保するための法制度の整備の必要性とその在り方について、19年9月から職業安定分科会雇用対策基本問題部会(部会長、阿部正浩・中央大学経済学部教授)で議論していた。

提供:建通新聞社