国土交通省は12月25日、建設現場の生産性を高める先進的な試みを表彰する「i−Construction大賞」の2019年度の受賞者を発表した。19年度の受賞者は25者で、国土交通大臣賞には、工事・業務部門で豊蔵組(石川県)、地方自治体等の取組部門で静岡県の「ふじのくにi−Construction推進支援協議会」、i−Construction推進コンソーシアム会員の取組部門で昭和土木設計(岩手県)とランドログ(東京都)が選ばれた。
i−Con大賞は、現場の生産性を高める優れた取り組みをベストプラクティスとして全国に展開するため、17年度に創設された。公共工事の発注者から推薦された受注者の他、新技術の現場実装、研究開発、ベンチャー企業の連携などに取り組んだ企業を公募し、受賞者を選考した。
ICT施工やBIM/CIMに先進的に取り組んだ公共事業の受注者を表彰する「工事・業務部門」では、大臣賞1者、優秀賞11者を選んだ。大臣賞の豊蔵組は、北陸地方整備局金沢河川国道事務所が発注した「H29・30能越道 長沢道路その7工事」で、バックホウ(ICT建機)にツインヘッダーを装着して法面整形工を施工。全国初のこの試みが施工性と品質を大幅に向上させたとして大臣賞に選ばれた。
「地方自治体等の取組部門」では、静岡県が設立した「ふじのくにi−Construction推進支援協議会」が大臣賞を受賞。同協議会では、県内の市町や建設業団体とともに、中小建設業へのICT施工の導入を支援している。活動を通して抽出された課題に対応するため、ICTを現場に円滑に導入するための独自のガイドラインも県が策定した。
新技術の現場実装などを対象とする「i−Construction推進コンソーシアム会員の取組部門」では2者が大臣賞を受賞した。昭和土木設計(岩手県)は、地元の建設業・測量業と連携し、測量・施工の視点を加えた3次元データ作成研修を開催。ランドログ(東京都)は、61社が加盟する独自のパートナー制度をつくり、建設現場で得られるデータを活用した工程見直し、安全対策を提案した。
提供:建通新聞社