台風19号に伴う土砂災害が952件となり、台風による土砂災害としては過去最多を記録した。国土交通省が12月25日、明らかにした。2019年の土砂災害件数は1995件で、集計を開始した1982年以降では4番目に多かった。
土石流や地滑り、崖崩れなどの12月24日時点の発生件数を集計した。19年には1都1道1府40県で1995件の土砂災害が発生し、82年以降の平均発生件数の約1・8倍となった。年間発生件数の過去最多は、西日本豪雨が発生した18年の3459件。
台風19号では1都19県で952件の土砂災害をもたらし、800件だった04年台風23号を超えて過去最多となった。内訳は土石流407件と地滑り44件、崖崩れ501件。発生件数は宮城県の254件が最多で、以下福島県、岩手県、神奈川県、群馬県が続く。
一方で、19年の豪雨や台風では、砂防施設が人家などを保全する効果を発揮したことも確認できたという。鹿児島県では、93年8月の水害で162家屋が全半壊した。この水害と比べると19年6月下旬の大雨の方が1時間雨量と24時間雨量がいずれも多かったにもかかわらず、家屋被害は5件にとどまった。
提供:建通新聞社