厚生労働省は「長時間労働の是正や安全で健康に働くことができる職場づくり」に2020年度は前年度より47億円多い357億円を充当する。建設業に対しては、生産性向上に取り組みながら労働時間の短縮に取り組むための助成金の活用を促進するなど、長時間労働の是正、人材確保、安全衛生対策の推進に向けた支援を行う。
長時間労働の是正に向けた監督指導体制も強化する。都道府県労働局や労働基準監督署に時間外および休日労働協定点検指導員を配置、労働条件などの相談や助言、指導体制を充実させる。
時間外および休日労働協定(三六協定)未届事業場や起業した企業事業場には労働条件に関する相談や指導などきめ細やかな支援を行う。
第13次労働災害防止計画における重点業種の労働災害防止対策には前年度より15億円多い114億円を充て、重点業種の一つである建設業は墜落・転落災害防止対策の充実、強化などを図る。
また「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」(建設職人基本法)が規定する基本計画の策定とこれに基づく施策を推進する。
中小建設業者の安全衛生管能力の向上に向けた支援や、一人親方などへの労災保険特別加入制度の周知広報などを行う。
化学物質対策と石綿ばく露防止対策の徹底も図る。
化学物質に関するラベル表示の徹底、安全データシート(SDS)の交付を徹底し、これを踏まえたリスクアセスメントの実施を促す。
建築物の解体などに従事する労働者の石綿ばく露を防止するため、石綿の有無の事前調査の徹底など、健康障害防止のための施策の充実を図る。
提供:建通新聞社