国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)とマイナンバーカードを連携させる。建設キャリアアップカードに代わり、マイナンバーカードで入退場時に就業履歴を蓄積できるようにする他、マイナポータル(情報提供等記録開示システム)を通じて共通する登録情報(社会保険加入状況など)を自動入力できるようにし、CCUSの登録作業を効率化する。連携に必要なCCUSのシステム改修などに国費6億円を投入する。
12月13日に閣議決定した政府の2019年度補正予算案にシステム改修やFS(フィージビリティ・スタディー)調査などの経費6億円を計上した。
マイナポータルは、日本年金機構の「ねんきんネット」などと連携しているため、CCUSとも連携すれば、技能者登録に必要な基礎的な情報の入力を省略できる。マイナンバーカードを入退場時にカードリーダーにかざせば、建設キャリアアップカードと同じように就業履歴を蓄積できるようにもなる。
一方、厚生労働省の技能講習修了データベースも23年度以降にマイナポータルとの連携を検討している。技能講習のデータをマイナポータルを通じて取得できれば、CCUSに登録した技能者の資格情報の更新を自動化することも可能になるという。
また、法務省の入国管理データベースとマイナポータルとの連携も検討されており、CCUSに在留資格情報を取り込めば、外国人建設労働者の就労監理にも活用できるようになる。現場を管理する元請けは、紙ベースの外国人現場入場届出ではなく、CCUSで現場レベルで外国人建設就労者の就労・在留状況を確認できるようになる。
国交省は、CCUSとマイナポータルがどういった範囲で連携できるか、まずFS調査を行う。その上でシステム改修を行い、マイナンバーと同じ水準までセキュリティーレベルを強化する。
提供:建通新聞社