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2019/11/26

ICT人材不足が最大の課題に

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、生産性向上推進要綱に基づく2018年度のフォローアップ報告書をまとめた。土木と建築を平均した18年度の会員企業の生産性指標(完成工事高/人工〈人日〉)は9万3282円/人日で、前年度と比べ3・86%上昇した。一方、ICTツールの活用が生産性向上の最も有効な手段になる中、ICT技術者など社内の人材不足を課題に上げる企業が84・8%に急増し、人材不足が取り組みの大きな障害として浮かび上がった。
 日建連は、16年4月に生産性向上に向けて推進要綱を策定。16年度から20年度までの5年間を対象に、取り組みの進捗などを毎年会員に調査している。18年の取り組みと進捗について19年8月23日〜9月25日に調査。64・8%の92社が回答した。
 18年度の生産性指標を土木と建築に分けて見ると、土木は0・78%減の8万5449円/人日と減少したが、省人化効果の大きい鉄骨造を採用するケースが増えている建築が6・55%増の9万7617円/人日に上昇し、全体の生産性を引き上げた。
 生産性指標は、土木が18年度やや下落したものの、15年度以降、上昇基調で推移している。15年度を100とした場合の指標は、土木118、建築114、平均115にいずれも上昇した。
 生産性向上のために既に実施している具体的な取り組み(複数回答)では、土木では「ICTツールの普及・推進」(82・6%)、ICT土工の推進などの「施工の自動化」(79・3%)、「CIМの活用」(68・5%)、「現場打ちコンクリート工の効率化」(66・3%)の順に多かった。
 建築でも「ICTツールの普及・推進」(69・6%)がトップで、「BIMの活用」(65・2%)、「設計段階での施工性・生産性の考慮、フロントローディング」(64・1%)が次いだ。
 生産性向上を推進する上での課題(複数回答)では、「ICT技術者などの社内の人材不足」(84・8%)が最も多く、前年度より23・6㌽と大幅に増加した。以下、「協力会社の取り組みの遅れ」(58・7%)、「意識改革の遅れ」(55・4%)が多かった。
 一方、前年度最も多かった「部材・工法・ソフトウェアなどの企画・基準の標準化、共通化の遅れ」は27・4㌽減少し、52・2%に減った。「新工法・新技術などの市場の未成熟」も48・0%から29・3%に大幅に減った。
 生産性向上に関して発注者や設計者に要望したいことは「適正工期の確保」(土木51・1%、建築52・2%)が最も多かった。