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中央ニュース

2019/11/25

気候変動で「抜本的な水災害対策必要」

 国土交通省は11月22日、台風19号による豪雨被害を受けて社会資本整備審議会に設置した「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」の初会合を開いた。初会合には赤羽一嘉国交相=写真=が出席し「『100年に1度』の災害は、これから毎年、どの地域で起きても不思議ではない。気候変動に合わせた抜本的な対策を講じなくてはならない」との危機感を示した。小委員会では、台風19号の被害を受け手対応すべき課題を整理し、来夏に答申をまとめる。
 関東・東北豪雨、九州北部豪雨、西日本豪雨、台風19号と続く大規模な豪雨被害を受け、抜本的な水災害対策を検討する。
 10月の台風19号は、気候変動の影響による外力の増加によって、堤防決壊や越水による浸水被害を広域にもたらした。10月に「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」がまとめた提言では、気温が2度上昇すると、治水計画で対象とする規模の降雨は1・1倍、発生頻度が2倍になると試算している。
 小委員会の論点の一つは、気候変動による降雨量の増加に対応するため、河川整備計画の目標を見直し、整備メニューの充実を図ること。具体的なメニューとしては、台風19号で、放水路や調節池などが大きな効果を発揮したことから、これら「防災インフラ」の整備促進などが上がっている。
 たび重なり発生する豪雨の被害を軽減するため、河川の水位を低くする河道掘削などを計画的・集中的に整備し、早期に機能を発揮できる枠組みも検討。気候変動による気温上昇を見据えた施設設計基準の見直しも議論する。河川整備だけでなく、遊砂池やため池の整備、宅地の嵩上げなど流域全体で治水対策を講じることも検討する。
 国交省は今後、「堤防強化」「ダムの洪水調節」「水災害リスクを踏まえたまちづくり」をテーマとする三つの検討会を12月に設置。これらの検討の成果を踏まえ、来夏に小委員会が総合的な対策を答申する。台風19号被害を踏まえ、樹木伐採・河川掘削、堤防強化、海岸堤防の強化など緊急的に対応が必要なテーマについては、中間的な整理を行って速やかに対策を講じる。

提供:建通新聞社