国土交通省が10月に行ったアンケート調査で、予定価格を事前公表している都道府県30団体のうち「(事後公表などに)切り替えの予定はない」と回答した都道府県は25団体(83・3%)だった。「一部を事後公表に切り替える予定・検討」と答えたのは3団体、「全件を事後公表に切り替える予定・検討」と回答したのは2団体だった。
予定価格の事前公表を禁止する法令はないが、入札契約適正化法の適正化指針では、競争の制限や入札参加者の見積もり努力が損なわれることを理由に事前公表を取りやめるようを求めている。
地方自治体では、価格漏えいなどの不祥事を理由に予定価格の事前公表の導入が増え、2007年9月時点では39団体が事前公表(事前・事後公表の併用含む)を採用していた。その後、事後公表への切り替えが進み、今年10月時点では、事前公表が14団体、事前公表と事後公表の併用が16団体の合計29団体まで減少した。
ただ、今回の国交省のアンケートに対し、事後公表に切り替える上で「入札参加者の積算能力の向上と職員への不当な働き掛けへの対策」を課題に挙げる都道府県があるなど、切り替えへの抵抗感は根強い。見積もりの採用が多い営繕工事は積算が難しく「事前公表への業界要望が強い」との声もある。
提供:建通新聞社