自民党の国土交通部会は11月14日の会合で、「『災害に屈しない国土づくり』の実現に向けて」と題した決議を大筋で固めた。台風19号などの一連の自然災害の被害を検証し、水害対策を中心に防災・減災、国土強靱(きょうじん)化をさらに強力に推進するよう訴えた。2019年度補正予算と20年度当初予算での公共事業費の増額、建設関連産業の魅力ある職場づくりも求めた。
台風19号から1カ月が経過したことを受け、防災・減災、国土強靱化の加速化・深化を政府に求める。14日の部会で大筋で了承を得てたことから、一部を修正して最終決定する。
決議文では、台風19号をはじめとする一連の自然災害を踏まえ、気候変動の影響や人口減少に十分に考慮した新たな防災対策への転換を提言。『防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策』は20年度末に終了するものの、中長期的な防災・減災対策のあるべき姿を示すよう促した。
具体的には、台風19号などの被災地の復旧に当たり、「原形復旧」ではなく、計画対象流量を増加して安全度を高める「改良復旧」を積極的に行うよう要請。3か年緊急対策を着実に実行することに加え、今回の台風被害の課題を検証し、水害対策を強力に推進する。
国土強靱化の加速化・深化を図るための予算確保の必要性も強調。年末までに編成する政府の19年度補正予算と20年度当初予算では、公共事業予算を十分に確保することも求めた。
さらに、災害対応を担う建設関連産業を育成するため、新・担い手3法に基づく新3K(給料、休日、希望)を実現。若者や女性にとっても魅力ある職場づくりを推進することも提言。TEC−FORCEなどの人員を増員し、地方整備局の体制を強化するよう注文した。
提供:建通新聞社