2019/11/15
施工力の確保も課題に 電柱・鉄塔の強風対策
経済産業省は11月14日、台風15号による鉄塔・電柱の損壊事故を調査する有識者のワーキンググループ(WG)で、関係する業界団体からの意見を聴取した。送電線建設技術研究会や、鉄塔メーカーで構成する日本鉄塔協会からは、現場で働く技術者・技能者の減少、高齢化を訴える声が挙がった。WGでは局地的な強風に対応した技術基準の改定も視野に議論を進めており、日本鉄塔協会は改定に伴うコスト増への対応などを課題として指摘した。
日本鉄塔協会は、建設業界と比べて鉄塔業界の労務費単価が据え置かれている現状を説明した。
送電線建設会社などで構成する送電線建設技術研究会は、2018年度から始まる5年間の架空送電線工事計画で、推定受注高が前期(13〜17年度)から16%増加するなど、工事量が増加傾向にあることを紹介。一方で高所作業員は減少・高齢化が進行しており、施工力の確保に向けて生産性向上と処遇改善に取り組んでいる現状を報告した。
経産省は対策の方向性として、鉄塔については局所的な強風に対応した基準風速の設定、設計などを挙げている。
電柱については自治体との連携による、近接する樹木の管理の強化や、地盤強化対策、過去の台風被害を踏まえた基準風速の個別設定などを示している。