全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(1)関東甲信越ブロック
■担い手確保など幅引く意見交換
関東甲信越地方建設業協会(会長・小俣務神奈川県建設業協会会長)は10月3日、関東甲信越地方ブロック会議を東京都内で開いた。関東甲信越地方の全国建設業協会(全建)傘下の都県建設業協会と国土交通省、地方自治体の幹部が参加し、建設業の担い手の確保や働き方改革をはじめ、技術者の引き抜きへの対策など幅広いテーマで話し合った。
会議の冒頭、小俣会長は、9月に関東地方を襲った台風15号など相次ぐ自然災害に触れ、「地域の守り手として建設業の役割はますます重要になっている」と強調。経営を支える事業の確保や、人材確保のための働き方改革の環境整備の必要を訴えた。
また、国交省の林俊行大臣官房建設流通政策審議官が、本格運用が始まっている建設キャリアアップシステムについて「業界共通の制度インフラとして育て、定着させていきたい」と述べ、技能者の加入促進への協力を呼び掛けた。
さらに、関東地方整備局の石原康弘局長が台風15号への対応の経過を報告。千葉県建設業協会を中心とする建設業の災害復旧への貢献について「地域の守り手として本領を発揮した」とたたえた。
全建の近藤晴貞会長は、改正品確法など新担い手3法に基づく制度改善について「地域の建設業は大きな転換点を迎えている」と指摘。健全な経営基盤の確立に向けて関係者の協力を求めた。
また、千葉県建設業協会の畔蒜毅会長が、台風15号の応急復旧に際しての国の対応や、各建設業協会の協力に感謝を述べた。
要望事項として各建設業協会から@中・長期計画に基づく公共事業予算の継続的確保、地域建設業の受注機会確保(千葉県)A低入札価格調査基準の算定方法での一般管理費に乗ずる係数の引き上げ(長野県)B担い手確保に向けた設計労務単価の引き上げ(埼玉県)C公共事業における週休二日制工事の計画的推進(茨城県)D「地域の守り手」の位置付けの明確化と建設協同組合の活用促進(栃木県)E派遣会社などによる現場技術者の引き抜きへの対策(山梨県)F工事における熱中症対策費用(群馬県)G安定的・持続的な道路除雪体制の確保(新潟県)H市町村への品確法運用指針の徹底(神奈川県)―について発言があり、参加者が意見を交わした。
提供:地方建設専門紙の会