政府は10月29日、東日本を中心に大規模な被害をもたらした台風19号を激甚災害に指定する政令を閣議決定した。公共土木施設や農地、学校施設などの災害復旧事業の国庫補助率を引き上げ、地方自治体に対する財政支援を手厚くする。政府は台風19号の早期復旧に向け、2019年度当初予算の予備費活用に加え、補正予算の編成も検討する。
指定の対象は10月11日〜14日までに台風19号がもたらした暴風雨・豪雨による災害。全国を対象とする「本激」として、公共土木施設、農地、農林水産業共同利用施設、公立社会教育施設、私立学校施設などの災害復旧事業の国庫補助率を引上げる。
公共土木施設(河川、道路、港湾、砂防、下水道、公園など)の災害復旧事業は通常70%の補助率を84%(過去5年の実績平均)とする。
台風19号は、静岡県や関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨をもたらし、10日からの総雨量は神奈川県箱根町で1000_に達した。記録的な大雨による堤防決壊は71河川140カ所(28日午前4時時点)に上っている。政府は19年度当初予算の予備費5000億円を充てるとともに、不足が生じれば19年度補正予算を編成し、災害復旧に万全を期す考えだ。
提供:建通新聞社