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中央ニュース

2019/10/18

社会資本整備「量拡大の状況にない」

 財務省は10月17日に開いた「財政制度審議会財政制度等分科会歳出改革部会」で、日本の社会資本整備の水準が主要先進国と比べて高い水準にあり「いたずらに量を拡大する状況にはない」と主張した。将来の人口や交通需要の減少も踏まえ、新規採択を厳選し、既存ストックを最大限に活用するよう、改めて求めた。
 財務省では、市街化調整区域の開発など、土地利用の変化によって浸水リスクが高まっている地域があることを問題視。堤防やダムの整備による治水事業と土地利用規制との連携を深めることで、浸水被害を軽減させる必要性を指摘した。
 道路整備については、財政投融資を活用した高速道路の4車線化を継続すべきとした。今後も維持管理・更新費が増加することを考慮し、中長期的な利用者負担の在り方を検討するよう求めた。
 地方自治体の公共事業に対する社会資本整備交付金と防災・安全交付金を個別補助へと見直すことも要請。特にストック効果を早期に発揮させるべき大型事業などは、交付金から個別補助への転換を急ぐよう求めた。
 この他、建設業の労働生産性が低い伸びにとどまっているとも指摘。労働生産性を改善するため、公費を投じて特定の技術を開発するだけでなく、現場レベルでの新技術の実装を加速させるべきとした。その上で、公共工事の発注方法を見直し、新技術を活用した建設・維持管理コストの大幅な削減を実現すべきとした。

提供:建通新聞社