国土交通省と総務省は10月15日、台風19号の災害復旧事業に随意契約や指名競争入札を活用し、速やかに入札契約手続きを済ませるよう、全国の地方自治体に通知した。決壊した堤防の応急復旧など、緊急度の高い事業に随意契約を採用し、手続き期間を短縮するよう求めている。合わせて、被災地の実勢価格を反映するため、予定価格の積算に見積もりを積極的に活用することも通知した。
災害復旧事業への随意契約や指名競争入札の活用は、6月に成立した改正品確法でも発注者の責務に追加されたもの。同省は改正法成立前から、入札契約手続きを短縮できる随意契約と指名競争入札を災害復旧事業に活用するよう求めており、東日本に甚大な被害をもたらした台風19号からの速やかな復旧に向け、全国の自治体に通知した。
直轄事業の執行についても、地方整備局などに同様の通知を送っている。
具体的には、応急復旧(道路啓開、がれき撤去、河川管理施設の復旧など)や緊急度の高い本復旧事業(孤立集落解消のための橋梁復旧など)への随意契約の活用を推奨。その後の復旧事業でも、指名競争入札や手続き期間を短縮した一般競争入札を選択し、早期に事業着手することを求めた。
通知には、WTO対象の災害復旧事業における入札契約手続きについても記載。WTO対象では、入札前日から起算して「40日前」に公告する必要があるが、災害時などには「10日前」まで短縮できると解説している。
一方、災害復旧事業で需要が増え、市場価格の設定が困難な資材や作業条件の制約が生じる恐れがあることから、建設資材の設計単価に見積もりを積極的に活用し、予定価格に実勢価格を適正に反映することも要請。現場が被害を受けて受注者が施工を継続できないケースや、受注者が他地域の災害復旧に対応するケースなどで、工事の一時中止を指示することも求めている。
提供:建通新聞社