国土交通省は、静岡県から関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となった台風19号により、15日5時までに17水系47河川66カ所で堤防の決壊を確認したことを明らかにした。赤羽一嘉国土交通大臣は15日の会見で、堤防の復旧や浸水対策、排水作業などの災害対応に「国土交通省として全力を尽くす」と述べた。
国交省によると、確認できた堤防の決壊箇所は、国管理河川が6水系7河川12カ所、都道府県管理河川が17水系43河川54カ所。この他、多数の越水や内水被害、土砂災害、道路の通行止めなどが発生している。
赤羽国交相は14日、台風19号への対応として▽人命救助を最優先とした救助活動▽緊急災害対策派遣隊(TEC−FORCE)による被害調査と堤防の緊急復旧、排水作業などの応急対応▽自治体への技術的支援▽被災地のニーズの把握―などを指示。
各地方整備局は14日、情報連絡員(リエゾン)を含めてTEC−FORCE隊員400人以上を投入。直轄河川の決壊箇所などで既に緊急復旧工事に着手している。また、全国で200台規模の排水ポンプ車を配備し、14日には浸水面積全体の約4割に当たる約400fの浸水を解消した。
建設業団体にも協力を要請。日本建設業連合会は東北、関東、北陸の3支部が災害対応体制を構築し、各地整の要請を受けて国道の警戒作業や堤防の応急復旧、資材提供などを行っている。
全国建設業協会傘下の都県建設業協会は、地整や県市からの要請を受け、倒木処理や河川の応急復旧に対応している。
提供:建通新聞社