厚生労働省は、労働基準監督署が長時間労働が疑われる事業場に対して行った2018年度の監督指導の結果をまとめた。建設業は3131事業場の監督指導を行い、労働基準関係法令に違反していた1897事業場(60・5%)に是正勧告書を公布した。
監督指導は、時間外・休日労働数が1カ月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死などによって労働災害補償保険(労災保険)の請求が行われた事業場を対象に実施した。
建設業の法令違反で最も多かったのは、三六協定のないまま時間外労働を行わせていたり、協定で定めている限度時間を超えて時間外労働を行わせているなどの労働基準法第32条違反で、910事業所で見つかった。
次いで多かったのは214事業場で見つかった同法第37条違反の割増賃金の不払い残業。
また、同法第18条に違反して衛生委員会を設置していない事業場や、同法第66条で義務付けられている健康診断を行っていないなど、法が求めている過重労働による健康障害防止措置を講じていない事業場も167事業場あった。
18年度の監督指導は、全国の2万9097事業場に対して実施。このうち2万0244事業場(69・6%)で労働基準関係法令違反が認められた。1万1766事業場で違法な時間外労働があり、1874事業場では賃金不払い残業があった。過重労働による健康障害防止措置を講じていない事業場も3510事業場あった。
提供:建通新聞社